読んだ。冒頭のアイルランドのジャガイモ不作による大飢饉の話なんぞ、読んでいてぞっとした。そのジャガイモがどうやってアイルランドにきたのか、どうしてアイルランドで爆発的にジャガイモ疫病が発生したのか、それは遡ること16世紀、スペインのコンキスタドールのゴンサロ・ピサロが西欧に持ち帰ったことから始まる・・・という人類の食糧史・征服史とダイナミックに物語が進むあたりも続々した。ピサロめー。
「こういう偏った食糧事情を生み出すのに加担してるモンサントって企業はなぁ・・」なんて思いながら、実家で納屋の片付けをしていたら未使用のラウンドアップが5リットルばかりでてきた。近所のIターン男子に「いるかい?」と持ちかけたら、「いやー、僕ら、有機野菜作りたくて移住してきたんで」とのこと。ぎゃふん。そうか、そうか、こうやって作物に関する意識も変わってくるんやで。サカナとヤクザ、ジャガイモと農民。
私が小学校の頃に見たラウンドアップのCMは非常に印象に残っている。その除草剤を撒くと雑草だけが立ち枯れ、作物は枯れない。雑草も作物も同じ植物であることは変わらないのになぜそんなことが起きるのか、子どもでも気がつく矛盾。あのCMには「モンサント社の種で作った作物だけが枯れない」などという注意書きが挟まれていたのだろうか。昭和のコンプライアンスなんてザル同然だったろうから、一体どうだったんろうね。
モンサントとか種屋さんって、いかに貧乏人から薄く広く長くお金を徴収するかということを、割と早い段階で思いついた会社のひとつだよね。いまはそれが携帯キャリア各社とか、たくさん増えてきたけど。
三十万種を超える植物を命名し研究してきたが、人類が消費しているカロリーの80%は12種、90%は15種の植物から得られているに過ぎない。
本書より。多様性のある食卓を守っていきたいものですじゃ。