前回の続き。
この本で扱っている人は一番最近のひとでも1978年に亡くなった田宮二郎。西洋の人も多数紹介されていますが、江戸時代や明治時代の人に多く割かれております(もちろんそれ以前のひとたちも、楠木正成とかね)。近代化が進むに連れ、また死亡年齢があがるにつれ、死因となった病気も変わってきます。近代になると自殺も増える。ざっくりまとめると洋の東西を問わず、こんな感じ。
平安時代・中世 - 病気、殺される、殺されるから記録に残る
江戸時代・明治維新前後 - 梅毒・肺病・腸チフス
第二次世界大戦まで - 肺病・肺病に肺病にならず生き延びたひとは脳溢血。
第二次世界大戦以降 - 肺病減少、脳溢血・自殺のひとが増える。
また既往症?のある人が、心臓発作だったり脳溢血だったりが引き金になり、突然に亡くなっていたりもする。「四十過ぎたら死はランダム」とお友達がよく言ってたんだけど、まさにそれだ。こういうのを読むと、ちょっと欲しいアクセサリーも我慢せずに買っちゃったほうがいいような気もしてきますよ(山田風太郎さんはそういうことを言いたいわけじゃないんだろうけど)。
いやはやほんとう、医療の進歩は目覚ましいものがありますが、西の方から医療崩壊の音が聞こえてきます。磯田先生の「感染症の日本史」では、西から発生した感染症が日本全国に蔓延する過程も描かれておりました。皆様、どうぞご安全に、注意ぬかりなくお過ごしください。