正倉院展に行くつもりで上野まで行ったら「ご入場まで90分かかりますー」とのアナウンスが聞こえ、それならばとゴッホ展に切り替えた。チケット買ってから会場が「上野の森美術館」と知り、そんなに大規模な展示じゃないのかなと身構えずに入館(上野の森美術館はちょうどよい規模感の美術館のイメージがあります)。
サブタイトルは「人生を変えたふたつの出会い」ということで、彼が出会ったハーグ派と印象派の作品も交えて展示。大作中の大作といった作品はないのかと思いながら見ていくと、終盤に「糸杉」などの有名な作品が登場する。なかでも「糸杉」は、ひとつの壁にこの作品だけが飾られており、とても印象的だった。惹きつけられてしまう絵だった。
この展示会場の壁紙がグレーがかった水色でとても上品で美しく、この壁紙の色を決めるまでの経緯を知る機会があればぜひ聞いてみたいものだと思いました。これほどゴッホの作品にあった雰囲気の壁紙はないなと。「じゃがいもを食べる人々」「鳥の巣のある静物」「タンギー爺さんの肖像」「パイプと麦藁帽子の自画像」「サン・レミの療養院の庭」「薔薇」「ガシェ博士の肖像」などが印象的だった。あーうー図録買ってくればよかったと今になって後悔してる。
今回の作品を提供した収蔵先リストを眺めると世界中に散らばっていることがわかる。いままで自分の目で絵を見るためにわざわざ海外まで足を運ぶなんて・・と思っていましたが、今回「糸杉」を間近で見て考えが変わりました。ゴッホがテオのために描いた『花咲くアーモンドの木の枝』を一度見てみたいので、やはり行かねばならぬのかオランダまで・・といま旅行相場を調べているところ。
帰宅してすぐまずはゴッホの生涯を知ろうとkindleですぐ読めるものを探してみた。宮沢賢治みたいな人だなーと思いながら、google map でゴッホのたどった道にピンを刺しつつ読んだ。
今週はウィレム・デフォー主演のゴッホの映画を見る。フィンセント・ファン・ゴッホが亡くなったのは37歳、演じるウィレム・デフォーは63歳の皺の深いイケメンジジィ。でも、誰にもわかってもらえなくて、手紙を書くのはうまいけど人とのやり取りは苦手で、貧しくて貧しくていつもお腹をすかしてて苦労しっぱなしだった37歳のゴッホを演じるのはこのくらいの年齢の人でもちょうどいいくらいなのかもしれないです。楽しみです。