リバー・フェニックスの弟ホアキン・フェニックスがヴェネツィア国際映画祭で主演男優賞を受賞したという前知識だけで見に行きました。
映画最後半、ウェイン一家が劇場から逃げ路地を抜けていこうとする場面で、隣の席の人が他人に聞こえる大きさの声で「あぁーーーなるほどーーー」と漏らしてましたが、わかりますー私も場所を許せば「あぁーなるほどー」と声を出したいところでしたものー。とはいえ、あのチンピラ臭い品性の欠けてそうなアルフレッドが少々許せませんでしたけれども。
優しい男だから下品な下ネタも言えないし、人を貶めるような気の利いたギャグも作れない、だけどコメディアンになりたいと願う独身男のアーサー。病気の母親を介護しながら、自身も治療を続けながら派遣業で暮らしている。しかし政治の腐敗により広まる貧富の格差、先細る社会保障、追い詰められていく孤独な主人公・・・そして生まれる生身の体ひとつの怪物。さすがワーナー話が暗い。ホアキン・フェニックスのすさまじい減量も痛々しい。
この曲が流れるシーン、ぐわーーってきた。
この映画のラストシーンとともにぐわーってきた。
ロバート・カーライルのお尻とともにぐわーーってきた。
監督のトッド・フィリップスの作品に初めて触れたのは「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」でした。あぁアメリカ人はこれで笑わないといけないんだというのが第一印象。えぇまぁそこそこ面白かったんですけど。
次がハングオーバーシリーズ。
わたしにとってはクスリとも笑えない映画でしたが、このシリーズ作品が大ヒットしキャリアを順調に積み上げていきます。次にブラッドリー・クーパーとコメディ映画「ウォー・ドッグス」を監督します、これは日本未公開のビデオスルー作品。
そして「アリ- スター誕生」の製作に関わります。これはブラッドリー・クーパー監督作品。
そして今回の「ジョーカー」です。ハングオーバーからジョーカーの間に監督に一体なにがあったのでしょう!!!
前回に続き、貧しく孤独に襲われる男の映画を見てしまいました、ゴッホとジョーカー。貧困を描く映画もこれで三連続です、ゴッホとフロリダ・プロジェクトとジョーカー。このあともケン・ローチ監督の「Sorry We Missed You」が控えてます。実写版シティハンターなどでちょっと休憩したくなりそうなラインナップです。ジョーカーはバットマンのなかのものがたりだけど、「わたしは、ダニエル・ブレイク」はイギリスで起きている話で、日本でだってもう似たような事態は発生してます。こちらもあわせてぜひ。