北欧の「川原貴美子」に会ってきた/松屋銀座リサ・ラーソン展/銀座三越 朝日堂

リサ・ラーソン展

「松屋銀座店の2月売上高は前年比32.4%減、免税売上高は同70%減」のニュースでしええとなっちゃったけど、松屋銀座のリサ・ラーソン展に駆け込みで行ってきた。お友達が週末に「北欧の川原貴美子、リサ・ラーソン展に行ってきたでぇ!!」とメールをくれて、あわわ見逃すところだった。前回、松屋でやったムーミン展(ムーミン展というか、トーベ・ヤンソン展か)もそうだったけど、松屋銀座の北欧系の展覧会は、作家さんへの経緯と愛に溢れた構成で、今回もこの展覧会に関わったひとたちみんながあたたかい気持ちで準備したんだなーとわかるもので、そういう空気だけでじわっときた。

ネット通販が始まった頃と、私が「北欧の雑貨」というジャンルを認知し始めた頃はほぼ一緒で、まだ無印良品になる前のideeがリサ・ラーソンのフィギュアを扱ったりしていて、リサ・ラーソンのことはそれで知った。なんとなく北欧の長谷川町子みたいな人かと思っていたけれど、まぁ多分当たらずとも遠からずってとこだと思う。1931年 昭和6年生まれで現在88歳。これからも元気でいてほしい!

小さい頃から図画工作が得意で、おばあちゃんの赤い家を描いた絵画や、街の人々をモデルに作った人形なんかは、とても中学生の腕とは思えない素晴らしい出来。こんな子供時代の作品も展示してくれていることに驚き。

美大を出た若きリサ・ラーソンはスカウトされて陶器会社に就職するんだけど、「お皿のデザインとかするんだ! 楽しみー!」って意気込んでいたのに会社が求めていたのはフィギュア作りの腕で、部署が違ってがっかりした話なんかも紹介されていた。あぁ貴美子、北欧の川原貴美子よ!! 

あ、川原貴美子って、今の朝ドラ「スカーレット」の主人公なんですけどね、戦中に生まれ、疎開先の信楽に居を構え、貧乏な家庭に育ち、父親は女子の教育にひとっかけらも理解がなく金があれば全部酒に変えてしまうような人で、勉強もやりたいことも満足にできず、友人たちが高校に当たり前に行くのを横目で見ながら中卒で大阪に働きに出て、長女だから一家を支え続け、淡い恋をするものの階級の差に破れ、地元に戻ってきてから就職し、就職先でやっとやりたいものに向き合うことができ、成長を遂げ・・・・っていう信楽の女性陶芸家の物語でしてね、その貴美子ちゃんは自分の父親・母親と同じ世代の話なので当時のファッションや日用品・家具をみていちいち自分の昔を懐かしんだり、演技で話が進む局面が多く流し見がまったくできないドラマで、とにかくまぁ私にとっては見どころ満載の朝ドラなんです。あ、この貴美子の話はこのあとでも。

で、リサ・ラーソン展に話を戻すと、物販が凄まじい量とクオリティです。売り場にはチケットが無くても入れます。フィギュアだけで動物園が作れそうな量です。波佐見焼との相性良いコラボとかも、あぁもう決めきれない。「はっ、こっこれはヒグマ・・?」というかわいい黒猫の陶器のフィギュアやら、「はっ、ウカやん・・・」な少し瞳が釣り上がった白茶の猫のフィギュアやら。もうほんとう、この目のかたちがっ、ウカやん!!

波佐見焼とのコラボはこんな感じ。

あと、波佐見焼の干支・・・ぐぅぅ・・かわいい・・・。

あぁ決めきれないわーと会場を後にしました。3月4日まで急げ急げ!!

貴美子とハチと武志と

次は、免税売上63%減の三越伊勢丹の銀座三越へ。こちらも人がいない、オゥ。

コーヒーカップの飲み口が欠けてしまったので新しいものを探した。少しグォ-ジャスなデザインで170cc入るサイズのものを・・・と彷徨い歩くのですが、170ccっていうのがあまりなく、店舗の奥へフラフラと歩いて行き京焼のコーナーへぶち当たった。もりもりっとした交趾焼の急須を見つけて(リッツカールトン一泊分くらいのお値段)、こういう派手なのを日常使いしたら楽しいじゃろうなーと品物を眺めていたら、赤いきれいなぐい呑が目に入った。

辰砂という赤色で、ものすごく惹きつけられる。感じの良い美人の店員さんに向かって「これって、ハチさんの新人賞のですよね?」とつい話しかけてしまった。

「そう、そうなんですー! 辰砂といって、この赤色はハチさんのあの器と同じ色なんですよー、新人賞の作品ですよね。とても印象的な使われ方をしていました」
「でっ、でっ、こちらの美濃焼がですね、まさに貴美子的な造形でしょう? 自然釉のものなんですよね。偶然ってだけでこういうかたちは焼き上がらないんですよ」
「でっ、でっ、こちらの繊細な繊細な淡い色の器、これがいま武志がやってる亜鉛結晶釉です。雪の花が咲いているみたいできれいでしょうー」。

やだこの店員さん、好き・・・。そのあといろいろ作家さんのお話とか、焼き物のお話を丁寧にしてくださった。「朝も見てから出勤してるんですけど、武志の立ちくらみがもう心配で心配で」「わかりますーーー」あぁなにこのスカーレット立ち話・・・・しゅき・・・・しゅき・・・。

さて、残念ながらわたくし、今回はひとつも買うことができませんでしたが、棚の奥にあった金襴手の一人用急須、とりあえず「足でぎゅーっと金庫の扉を押さえ続けても扉が閉まらないような、あるいは、札束だけで財布が立つような奇跡的な状況がやってきたら買うものリスト」に入れておきましたので、そのときはぜひよろしくお願いいたします。

みんなも行こう、京焼朝日堂!!!
https://www.asahido.co.jp/

 

連続テレビ小説 スカーレット Part1 (1) (NHKドラマ・ガイド)

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