30代にこの本を読んだ。書いてあることを一部真似した。「いやーん、札束が溢れて金庫がしまらないー」というほどのお金持ちにはなることはできませんでしたが、結構助けられたんじゃないかなぁと感じてます。
この本って、バカで不細工で地縁もコネもなく徒手空拳でうっかり上京してしまった貧乏なあなたという読者が、東京になんとかして拠点を持ち、暮らし抜くための生存戦略の本だったんだと読んでから15年経過した今、ようやく気が付きました。
もしこの本に興味を持った独身女性がいたら、婚活に取り組む前に読むように進めたいです。あわせてこちらも。橘さんでなにをすべきか把握し、次に女性として戦略構築のために斗比主閲子さんを読むのがよいでしょう。
橘玲さんは「家買うな・賃貸にしとけ」派なんですが、そうはいってもお金や地縁があれば家買っちゃったほうが楽だし、家の売却でまとまったお金を手にすることもできますやん。持ち家賃貸論争がいつまで経っても終わりませんが、家なんか買っちゃえばいいんですよ、買える人は。
でも、バカで不細工で徒手空拳でうっかり上京してしまった貧乏な人に向けては「そんなローンを無駄に背負うな、どうせどこかで無理がくる、環境も変わるし、身軽にしておいてよかったと思うときが必ずくる、東京で家もつなんてやめておけ」って書いたわけですよね。たまたまその戦略が、私にはハマったようでした、幸か不幸か。
2002年の出版当時は「バカで不細工で徒手空拳でうっかり上京してしまった貧乏なあなたのために知恵を絞って、少ない元手でもなんとか生き延びる術を伝授しますので読んでください」なんていう過激なタイトルをつけることができなかったので、手に取る人を傷つけることのない「黄金の羽根の拾い方」なんていうふんわりしたものになっています。橘さんはそういう人たちのために(時に過去の自分を振り返りながら、あの時、俺ももっとうまくやれたよなと自戒と)愛を込めて書いてくれたんだと思います。
北の丸公園には、東京国立近代美術館工芸館の脇から武道館まで抜ける未舗装の静かな緑道があります。そこから千鳥ヶ淵を臨む対岸の高級マンションを眺めていたら、「あぁああああーーーそういうことだったのかー」とそんな天啓がドガシャーンと体を貫いたので、本日、当ブログにてお知らせした次第です。これからも、なんとか生き抜いていきましょう。