涅槃西習近平はきっとやる/遠藤誉 「『中国製造2025』の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか」

「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか

数年前、ブタペストに行った。「航空会社指定して東欧二カ国まわってこの値段でいいのですか? うふふふ」という激安ツアーだったけど、さすがに激安ツアーなりの星2つか3つのホテル。交通至便なのはありがたかったですが、その質素な佇まいに、というかあっさりと表現するとボロいホテルに「おぉぉ、ジャパンマネーもえらいとこまできたもんだな」と感慨深くなったのを打ち明けておきます、私が予算を切り詰めすぎたということも念の為お伝えしておきます。

廊下の電気は全てはつけておらず、エレベーターは狭くて遅い。さすが激安ツアーよとしみじみと感じ入りながら、部屋のドアを開けたら22インチくらいの小ぶりな東芝製のテレビが小さなテーブルにちょこんと置いてある。「わー日本のものに会えた!」という喜び半分、このレベルのホテルが部屋に備え付けるのが、東芝製のテレビだという事実に打ちのめされた気持ちが半分。

この本を読んでいる間ずっと、ブタペストのホテルの狭い部屋で見たあの東芝製のテレビのことを思い出していた。

本書の内容をAmazonから。
米中貿易戦争や米中ハイテク戦争の根幹には「中国製造2025」がある。トランプが怖れているのは、「中国製造2025」により中国がアメリカを追い抜くことである。
中国は2015年5月に「中国製造(メイド・イン・チャイナ)2025」という国家戦略を発布し、2025年までにハイテク製品のキー・パーツ(半導体など)の70%を「メイド・イン・チャイナ」にして自給自足すると宣言。同時に有人宇宙飛行や月面探査プロジェクトなどの推進を盛り込んだ。また「暗号を制する者が世界を制する」と言われるように、「量子暗号」に力を注いでいる。中国は半導体と宇宙開発によって世界制覇を目指しているのだ。
この現実を直視しなければ、米中関係も日中関係も見えてこない。中国国家戦略の正体とは何か。習近平の真の狙いとは何か。中国研究の第一人者が、人材と半導体および宇宙に焦点を当てながら分析し、中国の実態と野望を明らかにする。

習近平はきっと「中国製造2025」を計画通りにやり抜くのだろう。きっとやり抜く。強烈な執念があるはずだ。中国の宇宙開発事業の核ともなる量子力学のプロジェクトを担っているのは若き天才科学者の陸朝陽、1983年生まれ。翻って日本で彼に相当する人物は誰かいるのだろうか、落 合 ● 一とか チーム ● ボとかじゃなくて!!!
 
なんともお寒い状況ですな。そんな状況を裏付けるニュースが最近続けて出たりしてます。

【日経新聞】経団連会長、日本の賃金「OECDで相当下位」 春季交渉
【日経新聞】韓国、半導体で「脱日本」着々 先端材料の国産化進む

お寒いぜ! 今から20~30年前、「日本がアメリカと戦争したことを知らない若者たち」なんてことが話題になりましたが、いまの若い子達は「かつて経済大国だった日本」なんて信じられないことになっているのでしょう。

とにかく、ブタペストの安ホテルの22インチの東芝のテレビが強烈だった、あれが私にとってのカレル橋の1ユーロですよ(適当なことをそれっぽく言ってみた!)。

さて、子供時代に長春包囲戦を体験したという遠藤誉先生のご本、これからもいろいろ読んでいきたいと思います。次に読むのはこのあたり。

 

本書の中で「イギリスは馬鹿だ。アラン・チューリングの銅像をつくって慰めてるばあいじゃないっての! あそこで彼を亡くすようなことがなければ、違う世界地図だったっつーの!!」とわりと激しめに突っ込んでいたのが面白かったです。

 

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