山と犬と戦争とゴルゴ13/映画「ベル&セバスチャン」/ #犬映画です

ベル&セバスチャン(吹替版)

あらすじは映画ドットコムから。
日本では「名犬ジョリィ」のタイトルでテレビアニメ化されたセシル・オーブリー原作の児童文学を実写映画化。
戦時中のアルプスの小さな村で暮らす孤児のセバスチャンは、家畜や人を襲う「野獣」として村人たちから命を狙われている一匹の犬に出会う。セバスチャンは犬をベルと名づけて村人から守り、ベルとセバスチャンは次第に心を通わせていった。やがて戦争の影が色濃くなると、村にもナチスの捜索の手が伸びるようになる。(中略)
監督は冒険家でもあり、映画「狩人と犬、最後の旅」も手がけたニコラ・バニエ。

先に続編であるところの「ベル&セバスチャン 新たな旅立ち」を見てしまったわたくし、人に教えられて第一作を見た。こちらは、ゴールデンカムイでいうとぐっと二瓶鉄造寄りな男臭いお話、というか戦争のお話、レジスタンスの話。

1943年。アルプスの奥地、サヴォワ地方まで逃れてきたユダヤ人家族はスイスを目指して12月のアルプスを越えていこうとする。パルチザンとして活動している家族に付き添い、犬のベルとセバスチャンも道案内として同行することに。「あの山を越えたらアメリカなんだよ」というセバスチャンに、ユダヤ人家族の少女は「違うわ、越えたらスイスよ」と答える。そのスイスを目指し、ナチスからの追手を振り切り、冬の山へ彼らは出発するのだが・・・

「ベルとセバスチャン」を書いたセシル・オーブリーは、「情婦マノン」という作品で、ナチス相手に体を売っていた娼婦役を演じていたような人で、そんな映画で主演を張った経験や、それに至るまでの彼女の人生が、この児童文学に生かされていないはずがない。

しかし、ドイツ、スイス、フランス、イタリアって、あんな距離の近いところで近代戦争をやっていたということは、相当恐ろしいことだとわ。言葉も近くてなんとなく通じるけど、山を越えたら敵国、銃を構えた兵隊がいる敵の国。スイス、フランス、ドイツの国境が接してるバーゼルなどでははどんな暮らしぶりだったのだろう。

会津若松市長が東日本大震災義援金や支援のお礼に萩市に訪れたとき、市長は「和解とか仲直りという話ではない」と述べたそうですが、軽々しく扱うべきことではにことは重々承知していますが、150年前のことですらそうなんですもの、第二次世界大戦から75年以上経過したいま、現地はどんな感じなのでしょうか。

ともあれ、第一作は戦争のお話、第二作は終戦後で物語自体は深刻だけどかなりコミカルに作られております。どちらも白くて大きくて比類なき賢い犬がほんとうに美しく、演技も達者です。犬好きな方はぜひ、犬が死なないし。この映画の解説のこちらの記事もあわせてぜひ。

「ベル&セバスチャン」
原作は世界的ベストセラー児童文学 少年と犬との友情を軸に展開 / 国際テレビ映像フェスティヴァルへのエントリーを応援するサイト

さて、本作監督のニコラ・バニエの「狩人と犬、最後の旅」という作品も見なくては。犬が死なない映画だといい。
狩人と犬、最後の旅 コレクターズ・エディション [DVD]

あと『情婦マノン』と、ジャン=ピエール・メルヴィル監督の『海の沈黙』も。

情婦マノン [DVD]

海の沈黙 (字幕版)

ゴルゴ13にも山岳で犬と活動する話があるんだけど、ラストがせつなすぎて、読後にはゴルゴのバカーって罵ったですよ。しかし、なんでか「海の沈黙」と「ゴルゴ」の130巻ったら、ジャケットの偶然!

ゴルゴ13(130) (コミックス単行本)

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