金木犀星の時計のLiddellの日/フィリパ・ピアス「トムは真夜中の庭で (岩波少年文庫 41) 」

73年に及ぶ岩波書店の出版史の中でベストセラーとして今も愛されている名作が現在多めにkindle unlimitedで解放されていまして、この機会にいろいろ読んでみようとトライしているところです。「戦争は女の顔を・・」や「ボタン穴からみた・・」も現在解放中でございます、みなさまお時間ありましたらぜひ。

トムは真夜中の庭で

トムは真夜中の庭で (岩波少年文庫)

舞台はイングランドのノーフォーク地方。ある夏休み、弟がはしかにかかってしまったため、叔母の家に隔離されることになった主人公のトム。叔父と叔母とのアパート暮らしに退屈していたトムは、ある夜、家の中を探検してみようと、自分にあてがわれた寝室のドアをそっと開けたのでした・・・。

第二章であぁうんうんとオチがわかるのですが、オチがわかったところで一体なんだっていうんでしょう。その時点でまだ物語の5%も終わってないのです。カンのいい読者が「あーはん?」と理解した上で、それでも残り95%読み進めさせることができる、その自信がなければ物語として世に出て来ないでしょうし、岩波書店の中で児童文学の名作として残り続けることもないではないですか。「それでは見せてもらいましょうか、その物語を」と読み進めた。

iPad mini を一日持ち歩き、時間ができれば読み進め、早めの夕飯を済ませたあと、わざわざ駅前の喫茶店まで移動して読み進めた。以前は21時閉店だったこの店も、いまは22時まで営業している。夜に美味しい珈琲が飲めるありがたさを味わいながら一気に読んだ。最終章でハラハラと涙が止まらなくなった。よかったですー。あのスケートのシーンの美しさときたらー。

読書中ずっと気になっていたんだけど、内田善美先生は名作「星の時計のリデル」を描くとき、この物語を一度も読んでなかったということはないのではないでしょうかどうでしょうかいやどちらでもよいですけどもしかしたら元ネタの一つとして存在していたのではないかちらどうかちら、だとしたらとても美しい再構築だし、そうであってもそうでなくても素晴らしい作品だったなーとうっとりしながら、この季節に二度目に咲き誇る金木犀の香りが満ちた住宅路を歩きながら帰ってきましたとさ。

あぁほんとうにどうしてあの豪華な装丁の本を私は手放してしまったのか、バカだなぁ。

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自分の生活が「スポーツの秋!(走った)」「読書の秋!(読んでる)」「食欲の秋!(体重調整が忙しい)」での三拍子で、秋をよく味わってるな-って我ながら感心してます。

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