大どろぼうホッツェンプロッツてふ男/子供の頃読んだ児童文学のタイトルを思い出した話

ここ数年、機会があれば今一度読んでみたいと願っていた子供の頃読んだ海外の児童文学がある。覚えているのは、「いま思えば、いわば少年のロードムービー」「タイトルにはやぶさという単語がある」「舞台はイギリス、多分イギリス」「講談社の青い鳥文庫のサイズだった」ということくらい。

折を見て「はやぶさ イギリス 児童文学」というキーワードで検索してみるのだけれど、小惑星探査機のはやぶさとか山形新幹線のはやぶさを擬人化した絵本ばかりがヒットする。「はやぶさ」は漢字だったかカタカナだったかひらがなだったか、そこまでも記憶に残ってない。

昨夜、どうしても思い出しくたくなり、講談社の青い鳥文庫の歴代刊行リストのサイトを覗いてみた。クレヨン王国がたくさん出てくる。そうかー、講談社の青い鳥文庫ってクレヨン王国から始まったのかと感心する。しかし、思い当たる年代を中心に探してみてもどうも見つからない。

ふと、青い鳥文庫と同じ判型だったけど、ベージュの地にオレンジや緑の水玉で、中央に黒いペン画のイラストがある表紙じゃなかったっけと思い出した。そうだ、それは青い鳥文庫じゃない! その水玉の表紙で記憶しているタイトルの本がある、「大どろぼうホッツェンプロッツ」という物語。当時はヒゲモジャのホッツェンプロッツのイラストが怖くて、かの大どろぼうの名前は覚えど一度も読んだことはなかった。まさかあれからこれほどの長い時間を経て、彼の名前が役に立つ日が来るとは! 早速画像検索をする。

大どろぼうホッツェンプロッツ (偕成社文庫 2007)

さて「大どろぼうホッツェンプロッツ」は現在も出版されていて、かわいいカラーイラストの表紙になっていることを知る。もっと古いブックデザインのものはないのかとスクロールしていったら、ヤフオクに出店している古本屋の扱い商品の中にあの水玉の表紙が目に入った。

これだ。このシリーズだ! 出版元は偕成社だったのか!
うちから二番目に近い出版社ではないですか!

そのままヤフオクで「偕成社」のキーワード検索したら2画面目で探していた作品が見つかった。ヴィクター=カニングの『隼のゆくえ スマイラー少年の旅』という作品でした。

あーー隼は漢字だったのか!! 
それは記憶にございませんでした!

イギリスの大衆作家ヴィクター・カニングが子供向けに書いた『チーターの草原(1971年)』『灰色雁の城(1973年)』『隼のゆくえ(1975年)』の三部作でした。
そうでした、秋の土曜日にお留守番しながら家の居間でこたつに入って読んでいたのでした。夕方、思いの外早く帰ってこれた母親の影が居間の南向きのガラス窓に写ったのをいま突然思い出した。母のエプロンの色まで思い出した。玄関の扉が開く音までも。ちくしょう、隼の記憶め、おそろしい子!

 

 

できたら本を手にとって読んでみたいのだけど、ヤフオクの写真を見る限り、ページを捲ったらカビで風邪ひきそうな状態なので少し躊躇している。偕成社さん、オンデマンド印刷してくれてもいいんじゃないかちらどうかちら。

しかし図書館で所蔵されていた本はこうやって流れ流れてヤフオクの渚にたどり着くのね。ありがたいというかなんというか。

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