マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ
マルジェラ期のエルメスのコートを一着持っている。古着屋さんで出会いがあり購入することができた、正直貯金を少し崩した。とてもシンプルな縫い目の少ないダブルフェイスのコートで、コートってここまでシンプルにできるのかと驚くデザイン。なんというか龍安寺の石庭みたいな、思想でいえば禅としか表現しようのないコートなんすよ。こんな服を作る人はどういう人なんだろうと気になっていたのですが、昨年公開されたマルジェラの映画がアマプラの新作レンタルリストに入っていたので早速見てみた。
こういう人だったのかーーーー!!!
こういう人だったのかーー!
エルメス期のマルジェラのほうが彼のファッション歴の中では異端だったのでは? パリから見た日本のファッション界の様子がちらちらと見え、川久保玲って偉大なんだなぁーと改めて思い知らされた。お洋服に興味のある方ぜひ。
イニシェリン島の精霊
はまった! どはまりした!! じわじわとドはまりしてる!!
司馬遼太郎「街道をゆく 31 愛蘭土紀行」
アラン諸島のことが書いてあるというので早速読んでみた。司馬遼太郎が1986年に朝日新聞社のひとと訪れたアイルランドのお話。ダブリンでドライバーと車を調達して、ゴールウェイまで目指し、アラン諸島に立ち寄る。その後、往路とコースを少し変えてダブリンに戻る。おぅおぅおぅ、バブルの時代の東洋の作家先生はずいぶんといい態度じゃねえですかい、日本人が読んでにんまりするようなサービスが多すぎるんじゃないですかい、などというところがないわけではないのですが、思いのほか「イニシェリン島の・・・」の副読本に適した内容でした。
アイルランドの詩人ウィリアム・バトラー・イエイツが日本の能楽に耽溺した話が紹介されている。1923年のアイルランドを舞台にした「イニシェリン島・・・」にも能面がでてくる。素朴な島の小さな家に能面を飾るような精神世界を持つ男の気持ちを思うと現代の私も胸がつまる。
それにしても司馬先生ったら大変な博学、大変な仕事量で大変な知識量。どんな脳みそしていたのでしょう?
関連図書
1920年頃のアラン島の暮らしのドキュメンタリー作品。
ほんとうにおそろしい老後問題
ルポ 難民化する老人たち
つまるところお金の話なんだけど、住まいがない老後、住まいがあったのに維持できなかった場合の老後、その住まいを売って財産作って養護ホームに入ったけど資産が尽きて追い出される老後、追い出されて行き着いた先が生活保護搾取団体運営の三畳間におまるが添えられた部屋で寝たきり暮らしとなった老後、詐欺師に騙されたり銀行に乗せられて無一文になってしまった人の老後、健康を失ってしまった老後・・・これでもかこれでもかというあらゆる老後のシミュレーション。うええ、健康で健全に生きることが不安な生活が老後の30~50年続くというのですか。この国の年金設計はポンコツすぎやしませんか? すぎやしませんか?
森永卓郎「長生き地獄 資産尽き、狂ったマネープランへの処方箋」
そんな老後、超怖い。えぇ~今度は長生きしすぎるという不幸のお話? 「自分の寿命を短く見積もらないほうがいい」と山崎元さんもおっしゃってますが、森永さんも同じことをいってる。
本書の「起」であたる部分では、「ほんと日本の年金はアテにならないから、どのくらいアテにならないかきっちり教えたる!、あと老後って思ったより長いから、長めに見積もらないとだから!」と読者をどん底に落とし、続く「承」と「転」で「君たちはどう生きるか」老後編、「結」でご自身のいまの生活を紹介。
森永さんはライザップのダイエットCMに参加して30kgほど体重減らしたけど、結果リバウンドもせず、糖尿病まで直しちゃったんですってねー。「初老のひとは今更投資なんかするな、取り返せないから! そんなことより暮らしそのものを変えてトカイナカで自分の楽しい仕事をするといいよ」という森永さんの楽しい仕事はいまは畑いじりなんですって。あのひともコロナで人生が変わったのね。私も筋肉つけたい。
どんよりした気持ちになるけど、最終的には明るく前向きになれるので、読むならこっちのほうが楽しいと思います。
松谷みよ子「モモちゃんとプー」
新装版?なのかな、書店で「懐かしい!」と手に取った。一気に読んでしまい、はっ、でも私が読み返したいのはおそらくこの次の巻の「モモちゃんとアカネちゃん」なのではないかと気がついた。そっちも読まねば。さらにこの「モモちゃん」シリーズは全6巻で、アカネちゃん以降のモモちゃん一家の様子を知らない。最後まで読まないと!
今月の句会
墓碑に刻んでいいレベルのよい句ができた(大げさ)。どうしよう、一年に一句墓碑に刻みたくなる俳句ができる。これからも精進していきたい。
句会の前夜に読んでみた。目からウロコ! てにをはの使い方がいまだに不安なので、この機会にきっちり学び直したい。
今週のお茶
「本読みながら、2000円前後で、泡っとしたお酒飲んで、そのあと大きめカップの濃いコーヒーと甘いもので〆たいなー」とうろうろしていたら、東京駅の八重洲地下の俺のフレンチで実現できた。素晴らしい。
まさかAmazonで食品を販売しているとは・・・恐るべし俺のフレンチ!!