暑いけど映画と本はやめてない

概況

7/8-7/28 熱中症っぽいものから体調くずして2週間ぐずぐずしていた。その間、仕事もしていた。その間、映画と本は読んでいた。ダイエットがうまくいきすぎていて体重がメキョメキョ減ってるし、ツール・ド・フランスは黄色いベビーフェイスの悪魔に翻弄されたり、ウェットフードからカリカリにフードを変えた猫は少し性格も変わり、猫のぬいぐるみを洗ったら茶色だと思っていた部位がベージュ色と気が付きひぃぃと叫んだり、連日の高温にげんなりしつつ、気がついたらもう8月も目前ではないですか!!!

ブリーディング・ラブ はじまりの旅


ユアン・マクレガーと彼の実の娘クララ・マクレガーとの共演映画。長年おしどり夫婦として知られていたユアン・マクレガーが実は離婚しており、この映画は俳優・プロデューサーであるクララから依頼されユアンが共演を承諾したそうな。なのでほぼドキュメンタリーです。胸が締め付けられるシーンもあれば、「ファッキン新しい妻! ファッキン新しい人生! ファッキン新しい家族!」と噛みつくシーンにはさすが血筋~と王騎将軍みたいなしたり顔をしたり。スコットランド人のユアンマクレガーには似合わない北米大陸ロードムービーです。ご興味ありましたらぜひ。

蝦夷国まぼろし

昭和に活躍した作家夏堀正元の小説。ときは関ヶ原の戦いの後、ゴールドラッシュに湧く松前藩には、元から住んでいたアイヌの人々、北前船の商人、関ヶ原の敗残兵、弾圧されているキリシタンなど様々な人々がやってきていた。東北のさる藩から脱藩し、松前で武士として身を立てていく道を選んだ主人公和久内進六の物語! 

勝手に北海道を探検しあらっぽい蝦夷地の地図を作ったイエズス会の宣教師たちに触発され、和久内進六も蝦夷地図を作る藩命を帯びる。松前→木古内→函館→日高→襟裳→厚岸→釧路→根室→知床→斜里とまで海路を進み、網走までたどり着いたところで松前へ戻る。網走はアイヌ語で「見つけられた土地」という意味なんだそうな。この事業を成し遂げた翌年、次は日本海まわりで探検に行くことになる。松前→江差→積丹半島→小樽内→石狩、石狩で一回降りて札幌あたりまで探検しまた海路へ戻る→そのままいまでいうオロロン街道を右にみながら北上し、稚内→宗谷岬→樺太半島に進んだらロイアのアイヌに迎撃されあわてて踵を返しオホーツクまわりで松前に帰ったと。

大冒険じゃないですか!!! こういう大冒険があったからこそ次の世代の人たちも安心して探検できたのですね。いやはや。キリシタンとゴールドラッシュ、そして物語の帰結・・・読み応えありました。ご興味あればぜひ!

ザイム真理教

森永卓郎氏近著。法学部を卒業し大蔵省(財務省)に入った新卒官僚たちも最初はフラットな考えの持ち主だったとしてもこの組織にいるうちにみんなかかっちゃう、それがザイム真理教。野田さんをみなさい、あれだけ消費税はやめようといっていたひとがいざ総理の座についたら財務省のレクチャーにころっとやられ増税したでしょう? というお話。
官僚も人の子、人の暮らしをしていると思っていたのですがなぜこんな悪辣なことをするのか非常に疑問だったのですが、少しはその疑問が晴れたかな。

ある一生

ヨーロッパアルプス戦中物語。新潮クレスト・ブックスで読んでいたけれど実写化されたというので見てきた。映像になったことでクリアになった彼らの生活。大戦前に生まれ、冷戦中に死んだある男の一生。世界中のある一生に思いを馳せながら。みなさまもぜひ。

密輸1970

ときは1970年、対日輸入制限をしている韓国沿岸地方都市の海女さんたちが巻き起こすクライム・アクション・水中サスペンス。ベトナム戦争帰りの腕っぷしの強い密輸王、地元漁師に毛が生えた程度のチンピラ、田舎町なのに目一杯着飾るパワフルな海女たち。だって第二次世界大戦が終わったのがこの25年前ですよ? 日本のバブルが崩壊してもう30年ですよ? 戦争や国家間の緊張した空気や、それでも抜け目なくたくましく生き抜く庶民の力強く血しぶきドバーなハイパー水中アクション映画ですよ。
「年間報告書」と書かれた書類がバーンと出るところにハングルで「연간 보고서」と読み仮名が振られたシーンでは、なぜか胸がぎゅっとなったり、第二次世界大戦が終わり朝鮮戦争が終わりそんな子供時代をすごしベトナム戦争の帰還兵となった密輸王の人生に思いを馳せたり。エネルギッシュでパワフルででも明日への希望に満ちた映画でした。

イラク水滸伝

・謎の古代宗教を信奉する“絶対平和主義”のマンダ教徒たち
・フセイン軍に激しく抵抗した「湿地の王」、コミュニストの戦い
・水牛と共に生きる被差別民マアダンの「持続可能な」環境保全の叡智
・妻が二人いる訳とは?衝撃の民族誌的奇習「ゲッサ・ブ・ゲッサ」
・“くさや汁”のようなアフワールのソウルフード「マスムータ」 
・イスラム文化を逸脱した自由奔放なマーシュアラブ布をめぐる謎……etc.

大変分厚く面白く、人類史の深淵に触れることの出来る面白いご本でした。

イラクにあんな大きな湿地帯があるなんて知りませんでしたよ。でも周辺国に建設されたダムのせいで枯渇気味。5000年前と同じスタイルで料理をしている湿地帯の民はこのあとどこへいくのか。

ルックバック

藤本タツキ先生の中編読み切りを映画化。はざ架け並ぶ秋の田をバックに「わたし、美大に行きたいの」と袂を分かつ場面。あの秋の終わりに生き残った虫たちのちりちりした悲しげな鳴き声にドバーーーーっとなにかがあふれた。藤本先生、漫画がとてもうまい。そのあとチェンソーマン第二部一気読みしちゃった。藤本先生、ほんとうに漫画がうまい。

デッドプール&ウルヴァリン

ナガねえさんとお茶してて映画の話になって「吹替版でみたいんだよねー」と話してたらちょうどいい時間帯のがあったので一緒に。すごく面白かった。X-MENとか知ってたらもっとニヤニヤできるんだろうけど、十分に面白い。吹替版で見てよかった。あのマシンガントークは字幕では拾いきれないよね。

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