桜咲く金で解決らりるれろ/ザ・コストカッター

黒木 亮
角川書店(角川グループパブリッシング)

¥ 860

(2012-03-24)


香港国際空港で「きぃぃーこの飛行機っ、もう飛ばないからねっ!降りて降りて!」と言われ、待合室に戻ったとき、鞄の中から取り出して読んでみた。出発時に成田空港の本屋で「ここで、あえてスイート情報に頼ってみるのもよいのではなかろうか」とことりっぷ・香港版を買ったとき、一緒に平積みの山の中から取ったのが黒木亮さんの「ザ・コストカッター」。元は「空売り屋」という小説だったのを、再編集・書き下ろししたものだそうです。ああいうアクシデントのときに夢中になれる本が一冊あると救われるわね。
「ことりっぷ香港版」は結構役に立ちました。ギャル視線で見る香港は新鮮で、飲食関係の情報が特に。スイーツ世代ではないので、さらに「地球の歩き方」も。こっちは地図と路線図、交通情報を主に。中環駅から銅鑼湾駅まで直線距離でわずか2.5km、地図でみるとほんっとーに狭い地域にぎっちぎちに建物と人々が詰まってる。智恵子が香港に行ったら「空がほんとにないっ!」と絶叫してしまうことでしょう。成田から帰ってきて東日本橋駅で下車し、空を見上げたら「上空の余白多いなー」と開放感と爽快感が! 
「ザ・コストカッター」のあらすじ。ツタヤ・オンラインから
名うてのリストラ屋・蛭田明は、米系投資ファンドによって極東スポーツの社長として送り込まれ、苛酷な大リストラを敢行。社員の首を次々と切る一方、短期間で株価をつり上げて私腹を肥やす。そのカラクリを見抜いたカラ売り屋「パンゲア」の北川靖が、ニューヨーク・ハーレムの子どもたちのあと押しを受け、全面対決を挑む。現代の資本市場を舞台に、強欲に踊る人々の栄華と末路を描いた問題作。
強欲よねーみんなほんとーに強欲~。物語の中では、六本木ヒルズが悪のすくつになってるわ! ガクガクブルブル! 私が生きてる平成の世に、こういう分野で切った張ったの勝負を続けてる同世代がたくさんいるんだろうなー、と思うと、なんというかその。
昔々、2003年ころ、某経済評論家が「日本の貯金資産は全部アメリカに持ってかれるんだ、ワーワーワー!」という論旨のことを言っていたのを記憶してますが、AIJ事件もそのひとつだということなのかしらねー。

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