南へと、話せば長くなりますが/目指せ南大東島!二泊三日社員旅行の巻  前編

話せば本当に長くなるのですが。。。

この週末を利用して一緒に仕事しているW嬢と一年の慰労旅行へ行ってまいりました。
なんでこんな11月の中頃という中途半端な時期に、忘年会にはちと早いし、とみなさんお思いでしょう? 年末までの二人の週末の予定をすりあわせて行ったらこの時期がちょうどよく、あわせてこのタイミングでJALの「おともでマイル」の沖縄往復が取れたので。確かにちょっと早い日程ではありますが、今後の私の予定的には結果オーライなタイミングになるのですが。

このチケットを取ったのが9月。「沖縄ではホエールウォッチングができるらしい」と情報を得て、初日は到着後すぐに「近畿日本ツーリストさん提供の5時間貸し切り一万円ぽっきりタクシー」で本島南部のW嬢の目的のひとつセーファーウタキ、ひめゆりの塔、戦没者慰霊公園などしっかり観光し国際通りに宿泊・2日目は朝からホエールウォッチング、午後から本部へ移動し美ら海水族館とホテルオリオンモトブリゾート宿泊、最終日はゆるゆる那覇空港へ、の旅程を組んでいたのです。

10月の終わりになってから諸々予定を確認しようと思い、ホエールウォッチングツアーを催行しているサイトにアクセスしたら、前回気が付かなかった「今年のホエールウォッチングは2015年12月28日から開始します」との大きな赤い文字が。パードン? そうなの?! そうなの!? そうよね、クジラがずっと沖縄近辺にいるはずないじゃない! 「ダーウィンが来た」を私は何年見続けていたというのっ! わー、旅の大前提が! となり、二人集まり改めて作戦会議。W嬢初めての沖縄、なるべく自然豊かなものを見せたいと思いいろいろ探していたら、にゃんと、二日目那覇発、三日目那覇着の南大東島行きの琉球エアコミューター便に二人分空きがあるではありませんか! 情報確認不足のホエールウォッチングで期待させすぎてしまったから、ぐぬぬぬー、ここでもおともでマイルを発揮して行くか、南大東島へ、タシーン!(クレジットカードが響く音)と、なんともアグレッシブな旅程に変更したのです! ホテルオリオンモトブリゾートはキャンセルし(世界のツーリストが選ぶ素晴らしホテルベスト10に入ってるんですってね!)、南大東島の民宿のウェブサイトから宿泊予約したものの、折り返しメールが来ておらず、さらに近ツリの5時間一万円タクシーは「修学旅行生で予約ミッチミチのため空車がありません」とのことで4時間12000円のタクシ観光タクシーをお願いし、なんだか「沖縄へ行く」以外の初回の思惑がひとつもかなってないことに若干の不安を抱えつつ、土曜朝8時、羽田空港から二人は沖縄へ向かったのです。そしてそのときはまだ知らなかったんです、このあとあんなことが起きるなんて・・・。『トラベルの語源はトラブル冬の那覇』と一句詠んじゃったくらいです。それでも後半に行くほど天気がよくなるのでそのへんもおたのしみに!

羽田発、今回もまたブロッケン現象が、イヤッホウ!

那覇空港の職員さんたちも使う空港食堂で安くてうまいランチでお腹を満たしてから、はっと気が付き南大東島の宿の予約が通っているか確認する。「明日予約しているものですが」と電話したら「予約が確認できないようなんですが」というぼんやりした返事が。こらー! どうも折り返しメールが届かないと思ってたよ! その電話で予約しなおしす。
さらに南大東島には鍾乳洞をあわせもつ地底湖があるようで、更にその探検ができるアクティビティがあるとのこと。これもまた那覇空港で地底湖探検を提供している現地の業者に電話して、翌日のアクティビティを予約する。翌日の大きなアクティビティと宿泊地が決まったところで、近畿日本ツーリストのカウンターへ出向き、タクシーへ乗り込みました。

用意されていてのは背の高い黒塗りのワゴン。たいそうな立派な内装で「うふふふ、お大尽お大尽☆」とホクホクしながら目的地をお知らせしたら、運転手さんが「セーファーウタキ? あれ? あそこもしかしたら今日は休館日じゃなかったっけ?」と衝撃発言を。にゃんと! 沖縄の神様の居場所は、年に二回3日間ずつ聖域を保つため定休日を設けているのです! 私達が那覇へ到着したその日がその定休日の最終日だったのです!!! そのときのW嬢の落ち込みっぷりときたら。あんなにがっかりした人を私はここ数年見たことがありません。もうその場でタクシーを降りたほうがいいのかもと思ったくらいですが、明日南大東島へ行くことを考えると日程的には余裕がなく、しかもセーファーウタキは空港から50分と結構な距離があり、拝むことはできないけれど近くまで行きましょう、気を取り直して、ねっ、お願い、気を取り直して!!、と車を東海岸へ向けて進めたのです。
ちょっと長めのドライブののち、セーファーウタキの近くへと。ここからは久高島が見えました。

栄養満点の野良猫がおりました。

タクシーの運転手さんは時速40km走行のゆったりおじさん、運転の合間にダジャレと小話を延々と続け、それに優しく相槌を打つW嬢。真面目な話をしているかと思ったら、「沖縄でハブに出会ったらどうすればいいか知ってる? ハブ・ア・ナイスディって言うと逃げてくよ」とか最後に笑いを取りに来るのをやめて、しかもドヤ顔で! とかやってるうちに沖縄の平和祈念公園へ。

このわっしわしとした木の実を、フルーツバットが食べるんだそうです、写真はその食べかすです。

国籍・出身地を問わず沖縄戦で亡くなられた全ての人々の名前を刻んだ刻銘碑。

平和の礎の向こう側、久高島に虹が落ちてました。

沖縄県平和祈念資料館。

その後糸満のひめゆりの塔へ。13歳から16歳の未来のある女の子たちが、従軍看護婦のしごとをしていたとは。沖縄の三ヶ月戦争をやっている間は学生たちに犠牲者はまだ少なかったそうですが、「米軍がすぐそこまで来ちゃってます!もうごめん!無理!解散!」と軍部が命令した直後一週間の間にほとんどの学生が自決したり殺されたり命を失ったそうです。軍人や戦闘員以外の人間まですべて総動員して戦争やろうなんて無理な話ですよ。一億総なんたらという言葉のおぞましさよ。

COCOON

戦争のない世の中を作ることがなぜできないのかと考えている間にも、運転手さんの小咄攻撃は延々と続き、観光業の人ってたくましいんだなーと感心したりしましたよ。そしてこの運転席からダジャレやくだらない小咄を聞かされ続けるのって、どこか既視感があるなーと思ったら、水曜どうでしょうのアラスカ編のナップさんとジム天皇だわ・・・・。あぁ・・・、なるほど・・・運転席ってダジャレを言いたくなる空気があるのよね、きっと。水曜どうでしょう 第12弾 香港大観光旅行/門別沖釣りバカ対決/北極圏突入 〜アラスカ半島620マイル〜 [DVD]

運転手さんは15分の時間オーバーで国際通りのホテルまで送ってくれて、それでも超過料金を取らずに精算。ありがとうございました。別れ際「牧志の公設市場で食事するといいよ」と進めてくれました。牧志の公設市場って・・そんなにお安くないよねぇ・・・と思いながら、まぁ観光客っぽいお金の落とし方をするのも悪く無いかもしれないですな、とホテルに荷物を置いてから市場散策へ。

牧志の公設市場は一階が海鮮魚店、二階に食堂があり、下で買ったものを上で調理してくれるのです。平たくいうとよくできたタチの悪くないボッタクリバーみたいなもんで、あ、失礼、でもそのようにこぼしたくなるくらいの強気強気の価格設定でございます。今回は伊勢海老半身、夜光貝ひとつ、赤いお魚半身をお願いしてみたら、鮮魚店の店員さんがしれっと「はいよ、6500円」と頼んだ魚介類を入れたボウルをよこすのです。パードン? ろくせんごひゃくえん!? しかも調理費は別で一人500円ずつ、二人で1000円。これは「高っ!止めます!」と言ってもよかったのかどうかどうかしら、などと逡巡しているうちに支払いを済ますW嬢(社員旅行中は現地の出費は割り勘で、共同財布にお金を入れて道中済ますのです)、やるなーこんな金額にもW嬢はビクともしないのかと感心したものです、さすが私の見込んだ呑兵衛ですわ、ガハハ、と頼もしく思ったのです。

支払いを済ませ、鮮魚店の若い衆に先導され二階の食堂へ移動する際、ちょっと引きつった顔で「ぶっ高いですよね・・・」とぼそりと告白するW嬢。あ、うん、そうだよねー、高いと思ったよねぇー、だよねぇー。食堂の席でオリオンビール飲みながら(私だって高くてびっくりしたんじゃー!)という思いを胸に秘め「まぁ観光客相手だし、ね」となだめる私。(今、思うと、斎場御嶽には振られ、牧志の公設市場では手痛い洗礼を受け、このときのW嬢はかなり落ち込んでいたのではなかろうかとも思う。)このままではこの沖縄旅行はW嬢にとって最悪の思い出になってしまうぅぅーと内心アワアワしていたところ、「おまたせしました~」と舟盛り登場!

ドカーン! ぎゃー! 期待以上の豪華盛り! いやーんこれじゃあ仕方ないねぇ、6500円になるのも仕方ないねぇー!! お魚はお刺身と煮魚に、貝もお刺身とバター炒めに、エビはお刺身と漁師汁に、その他マグロとイカのお刺身がついて、「いやー食べきれないじゃないですかぁー」なボリューム。落胆から高揚へと一気に楽しくなりました。調子に乗って泡盛の三合瓶頼んで水割りにしてうひゃひゃ。魚介の代金と調理費・お酒・その他一品頼んで二人で〆て10500円、グォージャスな舟盛り一丁と料理2品、汁物1品、店頭で頼んだにんじんしりしり、ビール2杯と泡盛3合瓶のオーダーと思って計算すると、まあない金額ではないよね。ちょっと高いけど、旅行中に一食くらいこんな食事があってもいいよね、というお値段。うん、本当に少々お高いと思うんだけど。

ふたりとも炭水化物はビールで摂取するよな酒飲みで、飲みきれなかった泡盛を持ち帰り、市場で小さいおやつやお土産を買ったり。その後はホテルの部屋で部屋飲み、外は風と豪雨。ブラタモリが終わる頃には撃沈。夜中にもう一度起きてNHKのお笑い番組を見てもう一度飲んで寝ました。ここまでが初日。

二日目の朝はまた那覇空港へ。顎が外れそうなくらいの素晴らしい快晴の朝。この日は南大東島へと。デ・ハビランド・カナダ社のDHC8というプロペラ機です。乗員40人の小さなプロペラ機です。私のいつか行ってみたい離島リストの中に刻まれている南大東島、こんな機会に行けるとは思っておらず本当にワクワクしていました。台風情報でしか聞いたことのない絶海の孤島! どんなところなんでしょう!
駐機場まではバスで移動し、9時30分発の飛行機に乗り込みました。

隣の席が空いていたので、バッグをしっかりシートベルトで締めて離陸待機です。

ジャンボと違って本当に小さなタイヤです。プロペラを試運転している音がずっと聞こえます。どんなフライトになるのかしらと胸を高まらせていたら、プロペラの動きが止まりました。

パードン? なにやら説明を始める美人キャビン・アテンダント。「電子部品に問題が発生しているようなので、皆様には一度空港のバスラウンジへお戻りいただきます」とのこと。おぉー、雲行きが超怪しい!!! バスラウンジへ戻され500円のミールクーポンが配られ、早速売店でお菓子やらおつまみやらオリオンビールを買うわしら。

「どうどう、落ち着け自分」と自動販売機でブルーシールのチョコレートドリンクをがぶ飲みして甘味補給! 

「修理が終わったんでまた戻るぜよー」と案内があり、みんなでまたバスに乗り駐機場へ。

シートベルトをつけて、バッグにもシートベルトをつけて、またもプロペラ試運転。今度は大丈夫かなーと思ってたら、ピィィィーとなんらかの警告音が鳴り、さらに機体後方から煙がボワッと。整備士さんがやってきてなにやらやったあと、「これは先の問題とは別の問題で運行には問題ないと思われますので、もう一度離陸トライします」と納得の行くようなイカないような説明が。いやいや煙が出たらあきまへんやん、ぼわっとしましたやん、これで飛ぶんですか、飛ぶつもりなんですかーと疑問に思っている最中にまた始まるプロペラ試運転。

「この状況で飛ばれても困るんだけど」と不安な思いで外を見ているとプロペラがプスンと止まり、そして再びの警告音! 説明するキャビン・アテンダント、ざわめく機内、笑い出す地元乗客、もう早く降ろさせてくれー、そしてキャンセルさせてくれー!!! どうなるウカやんとW嬢! ニヤニヤしながらオリオンビール飲んでる場合じゃないぞ! 

このときすでに搭乗から60分が経過、時刻は10時20分!
羽田へ戻る飛行機は翌月曜の15時55分発! 
ウカやんの旅ぢからが試される怒涛の中編へ続く!

3 COMMENTS

ふなき

待ってました!!南の旅レポート!!
ちなみに平和祈念公園、平和の礎のところにある木は、沖縄では「クワディーサーの木」と呼ばれるものです。琉球古典舞踊の四つ竹の地歌がクワディーサー、民謡にも「踊いクワディーサー」という歌があり、昔から親しまれていた木ですが、あちらの知り合いによると「よく墓場に植える木さぁ」とのこと。
飛行機トラブルは恐ろしや・・・。後半も楽しみにしてます!!

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ukasuga

いやぁ・・・思ったより長くなってしまい3部作となりそうです。ウカやん過去の愉快旅のベスト3に入っただよ。1位は「久米島で台風に閉じ込められ2泊延泊し、ホテルのバーでずっと酒飲んでた事案」、2位は「与那国島で愉快な織物探訪をしつつ、泡盛をずーっと飲んでた事案」、3位は今回のものです。沖縄強いなー。

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