冬に入る中間選挙の日の映画/映画「華氏119」

『華氏119』映画前売券(一般券)(ムビチケEメール送付タイプ)

あらすじはeiga.com から。
アメリカの銃社会に風穴を開けた「ボウリング・フォー・コロンバイン」や医療問題を取り上げた「シッコ」など、巨大な権力に対してもアポなし突撃取材を敢行するスタイルで知られるドキュメンタリー監督のマイケル・ムーアが、アメリカ合衆国第45代大統領ドナルド・トランプを題材に手がけたドキュメンタリー。タイトルの「華氏119(原題:Fahrenheit 11/9)」は、トランプの大統領当選が確定し、勝利宣言をした2016年11月9日に由来。ムーア監督の代表作であり、当時のジョージ・W・ブッシュ政権を痛烈に批判した「華氏911(Fahrenheit 9/11)」に呼応するものになっている。

16年の大統領選の最中からトランプ当選の警告を発していたムーア監督は、トランプ大統領を取材するうちに、どんなスキャンダルが起こってもトランプが大統領の座から降りなくてもすむように仕組まれているということを確信し、トランプ大統領を「悪の天才」と称する。今作では、トランプ・ファミリー崩壊につながるというネタも暴露しながら、トランプを当選させたアメリカ社会にメスを入れる。

わたくしですね、朝はNHK BSの「世界のニュース一気出し!」みたいな番組を見るんですの。各国の夜10時とか9時の、大人が落ち着いて見る時間帯のニュース番組の、最初の約10分間をまとめて放送してくれる大変便利な番組。イギリスのBBC、韓国のKBS の順にやって、次はフランスのF2・スペインのTVE・アメリカのABC のどれか。この3局は季節に寄って順番が入れ替わるんだけど、だいたいトリがF2かABC。

どの国もそれぞれ特徴があって、BBC はだいたい国の内外を問わず政治の話と世界各国の主要ニュース(現役の宗主国気分がいつも漂ってきます)、KBS は東アジアの外交と冬になると『今朝がどれだけ寒いか』という話題、F2 は福祉と国内経済、スペインはだいたいカタルーニャ独立問題と自然災害とかつて植民地だった国々のニュース。そしてアメリカ。アメリカのトップニュースのほとんどは、銃の乱射事件、無実の黒人青年が殺された話、山火事、ハリケーンや異常気象、この4つのネタがローテーションしてるような印象。ほんとにアメリカってそんな印象。

数年前、そのABCの時間枠で「ミシガン州のフリントに戒厳令が敷かれて軍隊が出た」というニュースが連日報道されていることがありました。海のこっち側でニュースを聞いてる私には「なんでアメリカの本土で戒厳令が?」とさっぱりわかりません。聞けば州知事が水がどうしたこうしたでどうのこうのでうんたらかんたらというのですが、なにがどうしてこうなったのかまったく理解できませんでした。

が、まさかこの映画でその全貌を知ることになるとは!
ひいぃぃ、アメリカこええ。そしてオバマたんにもがっかりよ。

 

私は、なんとなくですが、サンダーズおじちゃんが好きなんですが、んもうにっくきヒラリー陣営がアレしたりこれしたりしやがって、そんな様子もつぶさに描かれていたりもしています。ネットで見かけたアメリカのあんなニュースやこんなニュースが、マイケル・ムーアの巧みな演出により一つの燎原になっていくようなドキュメンタリ。トランプ大統領の話だけじゃない。「アメリカに自由と人権なんて、言うほどないじゃないの?」と真顔で問いたくなっちゃう映画で、大変な情報過多と圧! そして、日本も全然笑えない、まったく笑えない。今日見ることに意義がある映画でした。こういう映画は見る時機も大切。機会がありましたらみなさまもぜひ。

 

世界権力者図鑑2018

 

最後に、トランプのような人間を野放しにしておくとやがてかつてのドイツのようになる、という警告がなされる。だから怒れ、選挙に行け、新しい時代を作れ。それ自体はほんとうに素晴らしいことだと思うけど、日本でいうと「自民党にお灸をすえる」で政権をとった民主党時代はどうだったのか、そして「やっぱり民主党じゃだめだったよねー」で再び自民党政権になった今はどうなのか。何でも解決してくれる魔法の杖みたいな政治がさくっと奇跡のようにして生まれるということはないのだから、長い時間をかけて真剣に政治と向き合っていくしかないんじゃないかな。ま、選挙に行こう、ということですわな、うむ。

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