長谷川町子「サザエさん旅あるき」/樋口耕太郎「沖縄から貧困がなくならない本当の理由」

サザエさん 旅あるき

長谷川町子「サザエさん旅あるき」

その長谷川町子記念館のグッズ売り場の書籍コーナーで「サザエさん旅歩き」を見つける。「読んだことあるよね?」と思いその場では買わず、帰宅後本棚の長谷川町子コーナーを探すが見当たらない。サザエさん好きな姪っ子にあげたのか読んでないのかわからなくなり、書店で買って読んでみた。あ、読んでなかったかも。

1ドル360円の時代に世界一周の旅をする町子さん・毬子さん・お母さん。すごい、強い、楽しそう、観光地の様子がいまもあんまり変わらない! 

昭和の時代の女性の旅行記って読むだけでワクワクしますよねー。澤地久枝と向田邦子の女二人旅とか。

竹宮惠子・増山法恵・萩尾望都・山岸凉子がナホトカからロンドンまで旅行した話とか。

とにかくこういう旅行記を読んでいて感じいるのは、どんな時代でも移動する人は移動しているのだなぁということ。次の読書リスト「旅」カテゴリには、仏教の経典に疑問を持ち、明治時代に日本人で初めてチベットを果たすことになった河口慧海の「チベット旅行記」が入ってます。こちらも楽しみです。

樋口耕太郎「沖縄から貧困がなくならない本当の理由」

沖縄から貧困がなくならない本当の理由 (光文社新書)

第一章の「オリオン買収は何を意味するのか」を読んでいるそばから、うわあと小さい声が漏れてしまいます。那覇空港から離れた市街地になぜ免税店「DFSギャラリア」があるのか不思議に思っていましたが、実際ここで買い物をしたこともありますが、第一章第六節「沖縄を変えた1995年9月4日」を読み進めたあたりから、わたしがDFSで買い物できた沖縄振興特別措置法とはどんなものだったかようやく理解し、掌に嫌な汗がでてきました。

初めて沖縄に行ったとき、「どうしてオリオンビールって安いのかしら」「どうして沖縄タバコって安いのかしら」「どうしてタクシーが格安なのかしら」と疑問を抱いたものですが、そのときにその理由をきちんと調べておいてもよかったですね。米軍に対する「思いやり予算」というものがありますが、沖縄に対しては「後ろめたさ予算」とでもいうべきものが出ているのだなと薄々感じていましたが、つまり、オリオン買収とは長年続いてきたそれらのことの帰結なのです。

筆者の樋口耕太郎氏は沖縄で実際にビジネスをされていて、現地で多くの沖縄県民と接しておりその肉声をかき集めてできた本です。沖縄ではちょっとがんばったり真面目に振る舞おうとすると「プークスクス、あいつってまっじめー」と後ろ指指されるんだそうな。クラクションを鳴らしただけで「あのひとこわい!」「なんでわたしが怒られなくてはならないの!」と非難の対象になり、クラクションを鳴らしたひとは加害者になってしまうそうな。そういう場の空気を乱すひとはいずれ排斥されていくそうな。ふえええ。生きづらい、生きづらいじゃないですか、沖縄!!! 

先日、こういうニュースがありました。
【沖縄タイムス】沖縄のコロナ給付金問題、全国最大規模の詐欺事件に発展する可能性も 県警「まだ全容は見えていない」
【沖縄タイムス】コロナ給付金不正で5億円取得か 那覇の税理士 うその申請1800件
そんなちょっと宿題真面目に提出しただけで「プークスクス」されちゃう風土で、しかも先輩後輩の関係が密な環境で、こういう詐欺事案持ちかけられても断れなかったんだろうなぁって思います。そういう背景に思い至れるきっかけになっただけでも、この本を手にとって良かったです、まだ途中だけど。

まぁ給付金詐欺は沖縄だけじゃなく全国各地で行われているんですけどね・・・。

 

刑務所の中

2 COMMENTS

ふなき

若き日に、沖縄に骨を埋めようとして、いろいろと模索しました。それができなくなってからも、沖縄に関連する人や行事、物事はできる限り関わろうとしていた時期もあります。結果は、書かれているようなこと、さらに、ナイチャー(実はこの言葉には少々蔑視的ニュアンスが含まれます)への当たりの強さが骨身に沁みる経験をして今に至っております。それでも、やっぱり沖縄関連の報道があれば見てしまうし、行事があればついつい顔を出してしまうんですけど(遠い目)。

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ukasuga

そうなんですよー奥様、最初そういうちょっとさみしい気持ちで読む羽目になるんですが、ゴールがエライところに帰着するのでうひゃーとひっくり返りますー。わたしはひっくり返りました。機会がありましたらぜひー。

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