この遊具、絶対「赤富士」狙ってますよね?
両国のすみだ北斎美術館のロゴは、「冨嶽三十六景 山下白雨」の図右下の雷がモチーフ。かっこいい! 7月20日火曜から始まった「THE北斎 ―冨嶽三十六景と幻の絵巻―」を見てきました。
建物を軽やかに分断するスリットが特徴的なこの建物、設計は妹島和世建築設計事務所。威圧的でなく、建物も背が高すぎず、見た目も明るくてとても気持ちがいい。もとは弘前藩津軽家跡地、隣接する緑町公園の開けた空間とよく馴染んだ建物です。館内には自由に座れる椅子が点在しており、お互いに距離をとってちょっと休憩でき、全体的にとても居心地良く、感じの良い美術館。すぐ近くに古代神殿のようなサイズ感の江戸東京博物館がありますが、それに対するアンチテーゼというか対比というか「ばっかじゃないの、あんな大きな建物建てちゃって!」といった小気味よさのようなものすら感じられました。展示は3階と4階で、今回の展示会概要はこちら。
二大名品「冨嶽三十六景」シリーズと幻の絵巻「隅田川両岸景色図巻」を中心に、北斎を代表する作品約100点を前期・後期にわけ展観。錦絵「桜に鷹」等の版木を使用した火鉢も初公開!
「冨嶽三十六景」、「諸国瀧廻り」、「諸国名橋奇覧」をじっくりと鑑賞することができまして、入館料1200円。お買い得! いやいやほんとお買い得! 今回、印象的だったのは以下の作品。
職人が作る大きな樽の中に富士山が見える「尾州不二見原」、この樽の中の山は富士山ではなく、南アルプスの聖岳だそうです。名古屋からはさすがに見えないか。
「礫川雪ノ旦」、小石川は江戸時代には「礫」川と書いた。メモメモ。白いところは紙の白さを生かしたままだそうです、大胆!
「信州諏訪湖」、そうなんすよ、あそこも富士山見えるんですよね、富士見町ってのがあるくらいだし。
「駿州江尻」、おねえさんの懐紙飛びすぎな風を描いた作品、当時のことを思えば画期的すぎる作品だったのでは。富嶽三十六景ではないですが、「罌粟」の風が強く吹いている感も素晴らしい。
いやー面白かった! 夏ってなんとなく葛飾北斎って感じがするじゃないですか、両国駅徒歩8分ほど、人が少なくてゆったり見られます、みなさまもぜひ。
『冨嶽三十六景』「神奈川沖浪裏」、ちくちくしたった。