取り壊すだの売るだのいろいろ意見が出ていました我が家でしたが、取り壊すには惜しい改築をしているし、売るによい買い手が見つかるとも限らないのでどうしたものかと思っていたところ、「おうちを借りたいと言ってる人がいますよ」と紹介を受け、父の三周忌を待っていただいてからお話がようやく具体化。何度かゴミ出し・整理・掃除はしていたけれど、家具などの大物は手をつけられず、回収業者さんに見積もりに来てもらうのに一日使ったりなんたり。6月は都合実家へ5回出向き、うち2日は業者さんによるゴミ回収(合計40万 2トントラック3台・ハイエース4台・軽トラ2台)、この土曜には新しいご家族に気持ちよく住んでいただけるところまで諸々を整理し、大掃除をし、掃除のしすぎで指の内側の皮がずるりと剥けて、それらが終ったのち彼らに鍵を渡してきた。
なんでこんな豊かな庭のある家をわざわざ手放すんじゃろうと思いながら、庭木や花の説明をし、自生している薬味になる植物を案内した。
「山椒の木はあそこ、梅はあそこ、梅の実とっていいから、梅干し作る道具も揃ってる。梅の下には茗荷があるよ。あとあそこに栗とくるみの木、玄関の柿の木もとっていいよ。金木犀が二本あるから楽しみにしててね。紅葉の木と桜の木は悪さしない限りそのままにしておいて。この薔薇と庭の松は手入れをお願いしているおじさんがいるから、きたら作業させてやってください」
いや、ほんとう、なんでこんな素敵な家に私、住まないんでしょうか。
実家の鍵が欠けたキーホルダーを眺めながら、エヴァンゲリオンみたいなルックスのあずさに乗って帰ってきました。チケットレスサービスで帰ってきました。乗り物もずいぶん変わったな、チケットは事前予約できるし決済もできるし、座り心地もすごくよくなったしトイレはきれいで清潔だし。そして乗り物がそれくらい変化するような時間が経てば、そらーそれ以外のこともいろいろ変わりますがなとしみじみ思いを巡らせつつ、モンラックの赤ワインを飲みながら人生で何度往復したかわからない大月のトンネルを越えてまいりました。いやー、なんというか、いよいよ、自分の人生をちゃんと歩かないといけないんだな、と半世紀近く生きてきて今更思いを新たにしているところです。いやほんと。ほんと今更。
涙でるね。
お疲れ様。
お疲れ様でしたー。いやー終った終った!
意図せず、望まず信州を出て
東京から鈍行で2時間のところに住んでいます。
長患いの父と、しっかりものの母を実家に置いてきました。
姉が、実家からスープの冷めない距離にいますけども。
ウチは、田舎過ぎて
もしも母が住めなくなったらきっと取り壊すしかないのですが
私にはそれを受け入れられるかどうか…。
田舎すぎて取り壊す・・・私もそういうお家なんです。たまたま今回は、Iターンできた若いご家族が住んでくれたのですが、彼らが出ていったあと一体どうしたらよいのか。今回は実家問題を先延ばししただけなような気もしますが、気持ちの折り合いがつかないのですから仕方ないと思っているところです。
近所では家を解体した人もいました。立派なことだと思います。